昨夜、旧交を深くつなぎとめたので、ホテルに戻ったのは12時間近くとなった。ブログを書いて起床したのは午前7時。普段は午前5時に自然に起きるのに焼酎の気持ち良さにぐっすり眠りこけた。朝8時前に南風さんから電話があった。「11:20発の甑島里港行きフェリーが暴風波浪警報で欠航になった」という悲しい報せ。行けないと今日は鹿児島近辺をぶらぶらして、今夜の宿も探さねばならない。
いろいろ考えてホテルの食事を一緒に泊まったくんちゃんとホテルのロビーで食べていると、第二報が・・・。「11:20出港が逆転再決定した。しかし、13:50発の高速フェリー遊覧船は欠航の模様」。フェリーで下甑島西海岸を遊覧する計画がメインであったのに大変残念だった。それでも折角来たので「甑島」に行くぞーと3人で決め、あとは野となれ山となれの気持ちで少々落ち込みながらも急きょ準備を始めた。
10時に南風さんの奥様の運転でいちき串木野港まで最近購入された高級愛車レクサスRX450Hで送って貰った。
荒波を乗り越えて、フェリーに乗ったとたん、南風さんとクンちゃんが船酔い気味でダウン、1時間15分の乗船後、里港に到着。やはり上陸しても風は強い。高速遊覧船に乗れないのでレンタカーを借りて自動車で行ける範囲の上・中甑島ドライブを南風さん運転で4時間ほど車内で雑談を愉しみながら海岸や山の風景を撮影し続けた。
dachs飼主もここに来る前に甑島の勉強をしてきた。甑島列島は、九州の西方海上に属し、上甑島、中甑島、下甑島の三島と周辺の無人島からなっている。島には里村、上甑村、鹿島村、下甑村の4村あり人口は現在5000人強だが徐々に減ってきている。島には小中学校しかないので、高校生になると島外に出ないといけない。特に女性が少ないという。しかし、島の人々は、旅人にも優しい目線と言葉をかけてくれる。島に上陸すると、誰もが「こんにちは」と声をかけ、車中の人にさえ小学生が挨拶をしてくれ頭を下げてくれる。穏やかな顔の人たちが住む島。人情味あふれる人が息づく島。島の人々にあうと、忘れていた人の優しさに触れるような温かさに包まれるきがした。お昼は里港ターミナルでこの地の地形「とんぼろ」をネーミングした「とんぼろカツカレー」を3人で食べた。船酔いの2名には美味しい食事だったようだ。カレーの味が良かった。
まずドライブのはじめと最後に里港を中心走って貰った。里村はトンボロ地形つまり陸繋島の上にある村で、その形は函館トンボロとそっくりである。和歌山の串本と併せ日本三大トンボロといわれている。トンボロはフランスの、モンサンミッシェル、昨年行ってきた小豆島のエンジェルロードと同様、引き潮になると島が繋がる地形である。里港の南側の山上には風力発電塔がみえる。自然エネルギーで125戸分の電力がまかなえるそうだ。

九州の天橋立風
里港からは最初に「長目の浜」に向かう。断崖の上に架かる鍬崎橋からみる西の海が素晴らしい。橋を過ぎると「長目の浜展望所」から見渡すと、玉石の長い海岸が、海と鍬崎池、貝池、なまこ池の3つの池を区切っているのがよく見える。その姿は「天の橋立」を思わせる。上甑島最高の景勝地だろう。風は強かったが、海岸線は滑らかな弧を描いており、白い砂や石の浜が続き美しい。
次の上甑村は、甑大明神橋と鹿の子大橋を見学。鹿の子大橋の手前の岩間には荒れ狂う男性的な白波が美しく、30メートルを超えるだろうこの崖上にも波の飛沫が飛んできた。甑大明神橋の近くには立派な柱状節理の断崖や奇岩が屹立しており、とても美しかった。
中甑島と下甑島間は藺牟田瀬戸(いむたせと)海峡を繋ぐ藺牟田瀬戸架橋(仮称)が建設中であり、基礎部分はほとんど完成していた。平成32年中の完成だそうだ。
いろいろと南風さんのご親切なドライブと解説により、下甑遊覧以上の旅心をくすぐられ、とても感動した。
レンタカーを返して今夜のやど民宿「石原荘」に5時前に到着し、風でとことん冷えた体を3人一緒に大(?)浴場で膝附合わせて汗たっぷりになるまで入った。
6時からきびなごをはじめ、新鮮魚介の料理とお酒で3人一緒に楽しめた。2階の部屋で串木野で入手した芋焼酎や乾きもので二次会を心ゆくまで楽しめた。
[tip]霞始靆
2月23日~2月28日は雨水節次候で霞始靆(かすみはじめてたなびく)。たなびくとは、霞や雲が層をなし、薄く長く漂っている様子を表しています。秋の霧(秋立つ霧)と春の霞(春立つ霞) は、気象的には同じ現象です。微細な水滴が空中に浮遊するため、空がぼんやりして、遠方がはっきりと見えない気象現象をいいます。霞、霧と、靄(もや)との違いは、視界が1km以上の場合が靄、1km未満のときに霞や霧になるそうです。[/tip]